フロントフォーク分解&洗浄

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ギャラリーの龍〇(2007年2月)で発見したフロントフォークのオイル漏れを修理しました。
フォークはJhaの倒立キットでRVFのものを使っているのですが、NSRとおおまかな作業自体は同じです。
シールはもちろんオイルやブッシュの交換と洗浄&点検もするのでバラせるだけバラします。
トップブリッジの割締めボルトをゆるめた後、フォークを車体から引き抜く前にフォークボルトをゆるめておきます。

フロントフォークの取り外し手順は「 ステム取り外し 」を参考にしてください。
補足としては、ステムをバラさないのでフロントスタンドが使えます。ステムナットもゆるめる必要はないです。





フォーク単体までバラせたら、リバウンドアジャスタを最弱にしておきます。
そして、フォークボルトを取ってスプリングなどを抜く前に、ソケットボルトをゆるめる作業をしておきます。
スプリングなどで圧が掛かっている状態だと共回りしないので、この時点で少しゆるめておくと作業が楽です。





左画像がソケットボルトです。
ウエスなどひいてフォークを寝かせたらキャリパーブラケット辺りを踏んでグッグと力をかけるとゆるみます。
画像では撮影で片手になってますが、左手で工具の頭を押さえて力をかけないとナメます。
だいたいはこれでボルトはゆるむんですが、ボルトを抜いちゃうとオイルが出てくるので、ゆるめるだけにします。
頑固なやつは万力にフォークを固定してやるとT型レンチが使えるのでゆるめやすいです。





ソケットボルトがゆるんだら、フォークボルトを取り外すとアウターチューブが下がるようになり、
フォーク内ののフロントダンパーが見えるようになります。アウターを下げるとオイルを抜けるので、
フォークを斜めにしてオイルを抜いてやります。





オイルがそこそこ抜けてきたら、ゆるめておいたソケットボルトを取り外して、フォークダンパーも抜きます。
フォークダンパーの底にセンタリングプレート(NSRだとオイルロックピース)があるので出しておきます。
この名称の違いはJha倒立の場合フォークダンパの途中にオイルロックバルブってのが付いているのですけど、
RVFのマニュアルを持ってないので違うかもしれません。参考に読んだのは96-RS250のマニュアル。





これで中身は取り外せたので後はアウターとインナーを分割してやります。
通常はオイルシールの上にダストシールがあるんですけど、前回の作業で入れませんでした。
何で入れなかったかはレーシーになるかな?って思っただけです。もうしません。
ダストシールは精密ドライバーのマイナスなどを使って均等に上げてやればすぐに外れます。
その下にストッパーリングがハマっているのでこれもマイナスドライバーで外してやります。





インナーフォークを引っ張るとスライダーブッシュがアウターに圧入されているガイドブッシュに
当たってオイルシールやバックアップリングごと引き抜けます。何度かお互いに引っ張ってやってください。





左画像の左から、スライダーブッシュ、ガイドブッシュ、バックアップリング、オイルシール、ストッパーリングです。
スライダーブッシュはインナーフォークに固定されてアウターの中をスライドする為に外側がテフロン加工されています。
ガイドブッシュはアウターに圧入されてその中をインナーが動くので内側にテフロン加工がされています。
右画像が今回交換する3品。インナーブッシュ、アウターブッシュ、オイルシールセット。





これらの部品も取り外すので、スライダーブッシュを広げてフォークから抜き取ります。
あとは圧入から解き放たれたガイドブッシュも滑るように抜けて、バックアップリングやオイルシールも全て取り外せます。
ブッシュの消耗具合を見ておき、特にガイドブッシュはインナーに傷や錆があるとテフロンが剥げている可能性が高いです。
銅色の部分も山なりに消耗した跡がないか見ておき、それがある場合はフォークを点検する必要があります。
今回はバックアップリングとストッパーリングは再使用します。





これでインナーフォーク単体になったので、抜け切れてない底のヘドロを洗浄します。
このヘドロどもは頑固なのでキャブクリーナーを噴射して、ホームセンターに売っている長い柄のスポンジで洗います。
キャリパーブラケットの部分も洗って、受け皿に灯油を入れて綺麗に洗い落とします。





ソケットボルト穴が漬かるようにして、注射器のように中を洗うと早いです。
アウター内部も同じように洗浄しておきます。最後はやっぱりパーツクリーナーで仕上げてます。





シールとブッシュ交換だけなら最低限これだけやれば組んでいけるんですけど、
フォークダンパ内のオイルは完全に抜けないままなので、油面調整しないでもスプリングまでは分解した方が良いと思います。

ここからはSEやSPのフォークダンパと違っていて、
SE/SPだとフォークボルトについているプリロードアジャスタはリバウンドアジャスタと一体になっているのですが、
RVFのフォークダンパはプリロードとリバウンドアジャスターが別個になってます。
なので、先にプリロードアジャスタを抜くためにリバウンドアジャスタについているクリップを外します。





フォークカラー周辺を押し下げてリバウンドアジャスターにスパナを噛ませます。
プリロードアジャスターをゆるめていくと最後はOリングが引っかかりますが引っ張ると抜けます。
その下には白いプラスチックで3本足になったアジャストプレートがあります。





左画像がそのアジャストプレートです。
プリロードを締めていくと、この3本足が出てきてスプリングを押す仕組みです。
普通にSEやSPには無い部品で、NSR場合はただフォークボルトをゆるめて取れば良いだけです。

アジャストプレートを抜いたらフォークボルトをゆるめて抜き取ります。
あとは全て手で抜けるので、入っている順番を覚えながらスプリングまで抜いてしまいます。





だいたいここまで分解すればフォークダンパのオイルもある程度抜く事ができるので、
リバウンドアジャスタを最弱にしてストロークさせてやります。
このフォークダンパだと真ん中付近にある黒い物がオイルロックバルブとなるみたいなんですが、
オイルロックピースとオイルロックバルブの違いがすでに解りません。
スプリングの自由長を測ったら218mmでした。
Jha製のスプリングで5年ぐらい使っているのですが新品の長さや使用限度がわかりません。
誰かの役に立つかもしれないので数字だけ載せときます。





それでリバウンドアジャスタ(SE/SPだとプリロードアジャスタと一体)なんですが、
この奴が全部で15クリック回るんですが、なぜか微妙にずれがあって気になっていたんで洗浄して組みなおします。
RVFが15クリックあるのか、Jhaの設定かは知りませんが、アジャスタの取り付け位置でクリック数が変るので
取り外す前に全クリック数を覚えておかないと元に戻りません。
フォークダンパのナットをゆるめるとアジャスターが回るようになり取り外せます。

ここもSE/SPと違ってアジャスタをゆるめると中にロッドが伸びていて、その先のピストン部分まで続いています。
SE/SPのアジャスタはフォークダンパのつなぎ目までしかなく、伸び側ピストンとは別になっています。






アジャスターの中身はどんどん締めこんでやると抜けます。これはSE/SPでも同じです。
これで分解できるところは分解したので、あとは洗浄して点検に入ります。
フォークダンパも分解してみたかったんですが、これはカシメてあって無理でした。
SE/SPのフォークダンパやCBR600RR(正立)だと分解できたんで今度、実験してみようと思います。

アジャスターの中身にOリングがあるので取っておきます。





いつものキャブクリーナーと真鍮ブラシで黒くなった部分を綺麗にします。
アジャスタ中身のピストン側の部分は磨かないようにして異常がないかだけ見ておきます。





他の部品もOリングを取って洗浄しておきますが、プリロードアジャスタだけ内側にもOリングがあるので
忘れないように取り外して洗います。交換設定があるなら新品にしても良いと思います。
僕は亀裂等無かったので洗って再使用しました。Oリングはフォークオイルを塗って取り付けます。

フロントフォーク修正&組み立て に続きます。




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