キャブレター ジェット交換&洗浄

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キャブレター脱着したところからの作業です。
オーバーホールではないですが、だいたいの洗浄手順としてみてもらえると良いかと思います。
掲示板などでキャブ関係の質問がある時など、この記事のどこまでやったなど書いてもらえると解りやすいと思います。




まずはフロートチャンバを取り外します。
取り外す前にドレンスクリューも取り外しておきます。
フロートチャンバが外れたらパッキンが付いているので、ガソリンを拭き取って保管しておきます。
ガソリンが付いたままだとパッキンが伸びて組む時に入れづらくなります。





メインジェット(MJ)とニードルジェットホルダを取り外します。
メインジェットはマイナスドライバーで緩めますが、ホルダごと回るようならスパナでつかんで緩めます。
そのままニードルジェットホルダも緩め取り外します。

初めてその車両でやる場合は、今後の為にメインジェットの番数を確認しておきます。
僕のキャブセッティングはHRCの無鉛キットで組んであるのでNo1.192番 No2.198番です。
純正は左右共に140番です。
ジェットニードルホルダも純正とキットで違います。
左がHRCの無鉛用で、右が純正です。
穴の位置で確認できるのですが、
この方向から見ると判別しやすいと思います。




スロージェット(SJ)を取り外し、これも番数を確認しておきます。
純正は共に38番です。





メインとスローの間にある穴にはパワージェット(PWJ)が付いています。
奥にあるので見辛いですが、マイナスドライバーで取り外せるのでサイズに気をつけて取り外します。
右の画像はメインジェット(左)とパワージェット(右)。

これもHRC無鉛キットを使用していて、僕のは左右共に0番(メクラ)になっています。
純正はL側(No.1)が80番、R側(No.2)が75番です。





フロートを取り外します。
ピンが軽圧入されているので、サイズの合ったポンチか小さなマイナスドライバで小突きます。
オートポンチだとかなり楽なのですが、とりあえずはマイナスで圧入部分をずらし後はペンチで引き抜きます。
小突く場合は柱に当たらないように慎重に作業し、ピンが固着しているならキャブクリーナーを吹いて徐々に緩めます。





ピンが抜けるとフロートが取り外せます。
フロートアーム部分にフロートバルブがぶら下がっているので、落とさないように外します。
フロートはアーム部分が歪むと油面が狂うので、慎重に取り外して保管しておきます。
NSRではあまり無い気がしますが、フロートに亀裂が入りガソリンが入り込む事があるので、
フロートを振って中にガソリンが入っていないか確認しておきます。
フロートバルブもシートの当たり面の磨耗具合や傷など点検し、必要なら交換します。





エアスクリュー(AS)を取り外します。
外す前に一度締め込み、軽く突き当たるまでの回転数を記録しておきます。
純正では締めこんだ状態から2回転戻しの位置にあるはずです。

スプリングも入っているので一緒に取り外しておきます。






ジェット類を取り外したら必要に応じてケミカルで洗浄していきます。
簡単な洗浄ならパーツクリーナーで行っていますが、ガソリンの腐りやジェットの詰まりがあるような時は キャブクリーナーやエンジンコンディショナーを使用します。
画像はラベンの泡タイプで、南海部品に1800円ぐらいで売ってます。

全体的に腐っている場合は、
フロート周りだけでなくスロットルバルブも取り外して洗浄します。
キャブレター スロットルバルブ交換


下の作業ではやっていませんが、本来はゴム類などケミカルに弱い部品は取り外して行ってください。


ニードルジェットホルダが入る穴に吹き付けます。
順番は無いのですが、どこに吹いたらどこから出てくるか確認しながら洗浄していきます。






スロージェットの穴に吹き付けています。
画像ではわかりませんがエアスクリューにも繋がっています。
他にも通路があるみたいですが、どこに繋がっているのかまでは調べた事がないです。
とりあえず、かなり小さな穴から噴射しているのは撮影しておきました。






パワージェット(PWJ)に吹き付けています。
フロート側から吹くと、反対側の上部から出てきます。
僕は0番を入れてメクラにしてあるので、普段は外して洗浄はしてないです。






左と中央の画像はエアスクリュー(AS)から吹き付けています。
エアクリーナーボックス側の下穴とスロージェット穴から出てきます。

右画像はフューエルホースからフロートまでの通路に吹き付けています。






各通路の名称全部はしらないのですが、左画像の位置から吹き込むと反対側の穴と隣のキャブからも吹き出てきます。
スローとメインの間(画像ではPWJの反対側)にある黄色の筒も穴があるみたいなんですが、
その辺は何なのか知りません。誰か詳しいサイトがあったら教えてください。






スロットルバルブを取り外してない場合は特にやっていませんが、
エアクリナーボックス側の上穴にスロットルバルブ上部へと繋がる通路があります。
スロットルバルブ上部にはバイスタータへの穴があるので始動困難なキャブはやってください。






スロットルバルブ上部です。画像ではスロットルバルブを取り外しています。
中央やや上の穴がバイスタータの開閉になってます。
左画像は通常の状態で栓が閉まっています。中央の画像はチェークレバーを引いて栓が開いた状態です。
吹き付けるときはチョークレバーを引いて、栓を開けた状態で吹き付けます。






上と同じく、バイスタータが動くとリードバルブ側にある穴も稼動します。
左画像が通常の状態で、中央画像がチョークを引いて開いた状態です。
スロットルバルブ上部の穴と通路で繋がっています。
なのでスロットルバルブを開けないならここから吹いてやればそれなりに出来ると思いますが、
重症ならば一思いにスロットルバルブを外して両方から噴射した方が良いと思います。
ここから噴射する場合は、オイルパスチューブへの通路と間違わないようにしてください。






キャブレター本体の吹きつけが終わったら、フロートチャンバーにも噴射します。
ドレン穴やチャンバー内にも吹き付けておきます。
フロートバルブが閉まらなくなりガソリンがフロート内に溜まりすぎると、
ドレンスクリューに関係なく中央の筒からガソリンが排出されます。
詰まるとエンジン側にガソリンが落ちてしまうと思うので
ここもちゃんと穴が通っているか確認して吹きつけておきます。

後はジェット類の洗浄をしていきます。






ジェット類は詰まりが酷ければクリーナーを吹く前に工具などで穴を通しておきます。
専用の工具を持っていたのですが、盗まれてしまったので画像がありません。
検索しても出てこなかったのですがアストロで3000円ぐらいで売ってました。
一台のバイクを扱う程度なら新品ジェットを買った方が安いと思います。






フロートもチャンバー内にいれて漬けてしまいます。
プラスチック部品なのでやりすぎ注意かと思いますが、これで本体も含めてしばらく放置し腐ったガスを浮かせます。






しばらく放置したらパーツクリーナーやガソリンで洗い流していきます。
昔はパーツクリーナーが高かったのでガソリンでやってましたが、
最近はガソリンの方がはるかに高くなっちゃてます。
癖でガソリンを使ってますが、自宅にコンプレッサーが無いならパーツクリーナーで
吹き飛ばす方がより確実に洗浄できると思います。





キャブクリーナーを噴射箇所はもちろん、キャブ本体の汚れも落としながら綺麗に洗い流します。
すべて洗浄し終えたら綺麗なウエスで拭いて汚れが付かないようにトレーにいれておきます。





同じようにジェット類もガソリンやパーツクリーナーで洗浄します。
作業には関係ない話ですが、両手を使う作業で撮影するのは結構難しいです。
そう言う意味で中央画像は良く撮れたと思います。

これで洗浄は終わったので後は組み付けていきます。





取り外したジェット類を確実に取り付けていきます。
せっかく洗浄が出来ていてもジェットが緩んでしまうと不調の原因になってしまうので、
締めすぎないようにして確実に締めたと言う意識をしながら組むと後々の役に立つと思います。
ジェットは左右で番数が違うものがあるので、この辺も気をつけてください。



二ドルジェットホルダ、メインジェット、スロージェット、パワージェットの取り付けが終わりました。
ついでにフロートチャンバのドレンスクリューも取り付けておきます。
ドレンは忘れやすいので一番最初に取り付けるぐらいで良いかもしれません。
キャブを車体に組んでコックオンでドレン締め忘れは、涙も漏れるかもしれません。





エアクスクリューも取り付けます。
スプリングを忘れないようにして軽く突き当たるまで締めこんでから、規定の回転数緩めます。
純正は2回転戻し。





フロートとフロートバルブを組んでいきます。
バルブはゴム部分でガソリンを止めるので磨耗具合や傷に注意し、
反対側のスプリングピンもスムーズに動くか見ておきます。
フロートはアーム部分で油面を調整するので、
ここの曲がりやフロートアーム全体の歪みなどチェックしておきます。

フロートアームにバルブをかけたらキャブレターに取り付けます。





フロートピンを入れる時はマイナスドライバーの背を使って入れると便利です。
ある程度はそのまま指で入れるだけですが、
最後の軽圧入はフロートチャンバのあわせ面の段を使ってマイナスで押し入れます。
入れすぎないようにするのと、あわせ面に傷が入らないように気をつけてください。

取り付けたら、バルブが動くか確認しておきます。





キャブレター油面調整

掲示板で油面調整について話す事があったので
僕の発言を載せておきます。
間違っていたらやんわり教えてもらえると喜びます。

図はフロートバルブが閉まった状態(2)で バルブスプリングが伸びている状態(1)です。 このスプリングがバルブ本体に入り込んでない状態で フロートアームが軽く当たる位置にした時に、 フロートの高さがメインジェットの辺りから測定して13.7mm(MC28)になれば良いかと思います。 だいたいこんな感じで考えていますが勉強不足なので間違っている可能性が高いです。



これで全てのジェット類の取り付けが終わったので、フロートチャンバを取り付けます。
パッキンをフロートチャンバに取り付けずれて噛み込んでしまわないように、
キャブを持ち上げてパッキンが上を向いた状態で取り付けます。
パッキンなどキャブのゴム類はセットでしか販売されてないので注意してください。





そのまま指でフロートチャンバを押さえつつキャブを裏返して、保持したままネジを取り付けていきます。
均等に締めて両方とも終われば洗浄完了です。




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